Creative City Yamagata

ここは創造都市やまがた

動画編集入門〜自分で動画を編集してみよう〜

2025.04.01.Tue

Text: 那須ミノル
Nasu Minoru/reallocal山形ライター。 Uターンして10年。 春は種まき、 夏は茶豆収穫、 秋は芋掘り、 冬は雪かき。 四季を味わう暮らしです。

ROOTS & School 特別授業
動画編集入門〜自分で動画を編集してみよう〜 レポート

2024年12月22日、やまがたクリエイティブシティセンターQ1 シアタースペースにて、「ROOTS & School 特別授業 動画編集入門〜自分で動画を編集してみよう〜」が開催されました。これは、10月14日に行われた「特別授業〜自分で動画を作ってみよう〜」につづく、動画ワークショップ・シリーズの第2回となるものです。

講師を務めたのは、前回に引き続き、映像制作チームBright lightを率いるディレクターであり、レンタルスタジオCLASS STUDIOを運営している片桐賢久さんです。

キャプション:ワークショップ当日の模様。講師の片桐賢久さん

2017年ユネスコ創造都市ネットワークに加盟認定された山形市は、世界が認める映像都市。映画をこよなく愛する市民や団体があり、また、まちには映像にまつわるさまざまな文化や物語が蓄積されていることが高く評価されています。

今回のこの特別授業(=ワークショップ)シリーズは、そんな映像都市やまがたに生きる市民がじぶんのカメラやスマートフォン、PCなどを活用して素材集めから編集、仕上げまでに必要とされる映像技術を学ぶ機会を提供するもの。そしてまた、じぶんの手で映像をつくる喜びを知る市民を着実に増やしていくもの、と言えるでしょう。

さて、第1回となる前回のワークショップが、撮影から編集に至るまでの全てのプロセスをひととおり学ぶものであったのに対して、第2回となる今回は特に「編集」に特化した内容で進められました。

その狙いについて講師の片桐さんは「前回の受講者さんから、『編集時間が足りなかった』『編集に特化した内容でやってもらえたら嬉しい』などの声があったので、今回は特に編集にフォーカスすることにしました。こだわらなければ撮影は簡単にスマホでできるのに対して、編集というのはソフトを使っての専門知識がある程度必要ですし、作業にはどうしても時間がかかります。そうしたことが心理的なハードルとなりがちなので、ここで編集を実際に学びながら楽しんでもらえたら」と語っていました。

今回のワークショップには、市内外からが参加者が集まりました。「動画に興味があり、編集をやってみたかったから」「音楽や映画が好きで、素人だけど編集に興味があったから」など動機はさまざま。各自、事前に無料の編集ソフト「DaVinci Resolve 19」をインストールしたPCと、事前に撮影した映像素材を持参して参加しました。今回のワークショップでは持参したそれらを使用しながら、編集ソフトを駆使して編集作業を実践し、3分ほどの動画作品として完成させ、最後は互いの作品を鑑賞し合う、ということを目指します。

授業がはじまると、まずは編集ソフト「DaVinci Resolve 19」の立ち上げ。そして、素材となる映像ファイルの読み込み、シーンの切り貼り……といった作業を、実際にソフトを使いながらやっていきました。時には大画面を共有しながら、時には各自のPCに講師が張り付いて、作業を進めていきます。

編集作業の後半には、BGMの添えかた、タイトルやテロップなどの文字の入れかた、素材を繋ぐエフェクトの使いかた、オーディオの編集、そして動画ファイルの書き出し…といった作業もやって動画を仕上げていきます。

講師の片桐さんからは「編集で大切なことは、どのシーンを選ぶかという部分。そしてそのためには、どういう映像にしたいかを先にイメージしておくことが重要」というお話がありました。「編集の細かい技術的なところは、やっていれば自然と覚えていくもの。それに対して、どのシーンを選ぶかという部分は感覚的な部分が大きいので、そこをぜひみなさんには強く意識して養っていっていただきたい」とのことでした。

3時間ほどかけての編集作業が終わると、参加者それぞれが制作した動画作品を鑑賞し合い、感想を述べ合いました。素材もコンセプトも編集のやり方もちがう参加者たちの動画作品はそれぞれに個性的で、動画というのは表現の幅がとても大きいものだということを改めて感じさせるものでした。

最後は参加者の方たちから、参加しての感想が述べられました。

「これまでは自分でインプットするだけだったので、こうしてアウトプットまでやって、みんなに見てもらえて感想をもらえた、ということがすごく嬉しかった。本当はこういうクリエイティブなことをやれるようになりたい、いつかクリエイターになりたい、という願いがあるので、ぜひ続けていきたい」

「日常はYouTubeを見ているだけの生活でしたが、興味のある動画制作を自分でやってみて、すごく面白かった。これからハマっちゃうんじゃないかと思うくらい面白かったし、すごくためになった。5千円という参加費は、自分にとっては50万円の価値ぐらいありそう」

「何かを作ってみたいという欲求があって参加した。今の生活にはあまりクリエイティブがあるとは言えないけれど、これからぜひ挑戦していきたい」

といったとても前向きなコメントが多く語られていました。

映像作品をつくる楽しみが、ひとつ、またひとつと、このQ1を起点に増えている……、そんな感触を感じさせるワークショップでした。

今後も、多くの方々が山形の映像文化に触れることを通してクリエイティブな刺激を受ける機会が、このQ1で生まれていくことを期待しています。次回開催も楽しみです。

終わり

Text: 那須ミノル
Nasu Minoru/reallocal山形ライター。 Uターンして10年。 春は種まき、 夏は茶豆収穫、 秋は芋掘り、 冬は雪かき。 四季を味わう暮らしです。