PlayQ:
ローリングマウンテンカレッジ2024
【3限目】
考古学/人類学教授・松本剛の家にいく

PlayQ:ローリングマウンテンカレッジ2024【3限目】
考古学/人類学教授・松本剛の家にいく
日時:2024/12/14[土]13:00~16:00
場所:松本剛先生の自宅(山形県・山形市)
ローリングマウンテンカレッジ3限目は、山形大学で考古学・人類学を研究する、松本剛さんの自宅に訪問しました。考古学・人類学は、いわば人間の営みの中に潜む〈表現〉を調査・研究する学問ともいえます。松本さんご自身も、自分で家を作ったり、近くの山で狩猟をしたりと、自分の生活を〈表現〉している方です。大学教授の生活に触れてみることで、〈表現〉について皆さんと考えてみました。
■松本剛 先生
人類学博士。山形大学学術研究院・教授(人文社会科学部担当)。南イリノイ大学非常勤講師、ハーバード大学ダンバートンオークス研究所ジュニアフェローなどを経て、現職。アンデス考古学を志し、26歳で渡米。南イリノイ大学人類学科にて島田泉に師事。これまで25年間にわたって、今から約千年前に南米ペルーの北海岸北部で栄えた「ランバイェケ(シカンともいう)」という先史社会についての考古学研究を行ってきた。また、コロナ禍を機に、近年は山形県を中心に介入型の文化人類学的フィールドワークを実施したり、人類学的な知見や技術を用いて、顕在化する社会問題への取り組みも積極的に行なっている。


今回の授業は、自身の手で設計した松本先生の自宅リビングでのレクチャーから始まりました。白い壁には「リアルを取り戻す」というスライドが投影され、情報化社会に生きる私たちにとっての「リアル」とは何か? について、アメリカのハイウェーに設置されている看板の話題をきっかけに、自身の山形での生活について紹介いただきながら、松本先生がどのように「リアル」を取り戻していったかの話が続いていきます。

リビングでのレクチャーの後は、みんなで裏山にある「鬼越古道」に向かいました。獣道を探したり、薪となる木を運んだり…。松本先生の自宅に戻った後も、松本先生が飼っている鶏と触れ合ったり、薪割りを体験したり、イノシシ猟の罠を仕掛けに再び裏山に行ったりと、次々と松本先生による「リアル」な授業が続いていきます。






最後はみんなで、松本先生が射止めたイノシシの料理を食べながら振り返りです。山を歩くという行為ひとつ取ってみても、それを「トレッキング」といったように抽象度を上げた形で理解するのではなく、もっと地に足のついた経験から学ぶことが重要だと松本先生は言います。世界とは人間だけではなく、人間を含めた様々な生物とかモノとか現象といったものが混ざり合って成立しているのであって、それらと応答し合うことで全く違う世界が見えてくるのです。それが松本先生のいう「リアル」であり、〈表現〉そのものなのかもしれません。


■ PlayQとは
こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する
PlayQ(プレイキュー)は、「こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する」をコンセプトに、クリエイティブとテクノロジー、ビジネス、そしてエコロジーの4つの領域を行き来できる山形・東北らしい新しい人材育成を目指した、株式会社Q1が主催するプログラムです。経済産業省「デザイン経営宣言」におけるBTC人材定義(=デザインを競争力にする人材・組織・教育)をベースに、山形・東北独自の視点として「エコロジー」を加えた、4つの領域を横断できる人材を育成します。遊びを通して、地域と仲良くなり、地域に親しみ、地域に夢中になることで、「Local Friendly」(ローカル・フレンドリー)=「地域への優しさ」を持ったしなやかな感性を育んでいきます。毎回異なるテーマで展開するプログラムをはじめ、国内外で活躍するアーティストを招聘した集中プログラムなど、さまざまなプログラムを展開しています。
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