PlayQ:
ローリングマウンテンカレッジ2024
【4限目】
アーティスト・永岡大輔のアトリエにいく

PlayQ:ローリングマウンテンカレッジ2024【4限目】
アーティスト・永岡大輔のアトリエにいく
日時:2025/1/25[土]13:00~16:00
場所:永岡大輔先生のアトリエ(山形県・山形市)
ローリングマウンテンカレッジ4限目は、山形市内にあるアーティスト・永岡大輔さんのアトリエを訪問しました。球体型の家を作っている永岡さんが普段どのようなことを考え、どんな活動をしているのかについて自身の作品を交えながら紹介いただきました。また、実際に陶芸の作品づくりに挑戦しながら、いつもとは違う視点で、私たちが暮らす世界について、みなさんと考えていきました。
■永岡大輔 校長先生
アーティスト。山形県生まれ、横浜市在住。記憶と身体との関係性を見つめ続けながら、創造の瞬間を捉える実験的なドローイングや、鉛筆の描画を早回しした映像作品を制作。制作の痕跡が意図的に残される作品は、作者の記憶ばかりではなく、失われた時間の痕跡としての余韻を空間にもたらす。また、平面や映像作品以外にも、朗読体験を通して人々の記憶をつなげるプロジェクトや、衣食住をはじめ我々の日常を取り巻く様々な側面を検証し球体型の家の実現を目指プロジェクトを進めている。近年参加した主な展覧会に、山形ビエンナーレ(2018,20,22,24)、documenta15(ドイツ、2022)などがある。

今回の授業は、「わからないこと」をテーマに、永岡先生のこれまでの活動や作品についてのレクチャーから始まりました。いま永岡先生がメインで取り組んでいるのが、「球体の家」というプロジェクト。人が住まう「家」という形態が、従来の箱型から球体に置き換わると、世界はどのように変化するのかということを実践を通して考えていくプロジェクトです。そのプロジェクトで制作した、ゆらゆらと動く半球形の床にみんなで乗ってみました。バランスを取りながら床の上を歩いてみたり、寝そべってみたり、お茶を注ぎあって飲んでみる、といった体験をしました。



ゆらゆらと動く床の上での体験の後は、球体の家で使う「道具」を考え、制作するというワークショップを実施。ゆらゆらと動く空間の中で使われる道具とは、一体どのようなものなのか、どのような形をしているのか、を考えながら粘土を使って、思い思いの陶芸の作品を作り上げていきました。



今回の授業の冒頭でレクチャーした、「わからないこと」自体に向き合うこと、考えることが重要であると永岡先生は言います。それまで箱型であった家という形態が、球体になった時のことを想像すると、それは「わからないこと」ばかりのはず。永岡先生は、その「わからないこと」を少しでも自分の側に近づけるため、さまざまな作品制作と実験を繰り返しているようです。〈表現〉とは、必ずしも答えや正解を求めるためのものではなく、答えのないものに向き合うための行動そのものかもしれません。

■ PlayQとは
こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する
PlayQ(プレイキュー)は、「こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する」をコンセプトに、クリエイティブとテクノロジー、ビジネス、そしてエコロジーの4つの領域を行き来できる山形・東北らしい新しい人材育成を目指した、株式会社Q1が主催するプログラムです。経済産業省「デザイン経営宣言」におけるBTC人材定義(=デザインを競争力にする人材・組織・教育)をベースに、山形・東北独自の視点として「エコロジー」を加えた、4つの領域を横断できる人材を育成します。遊びを通して、地域と仲良くなり、地域に親しみ、地域に夢中になることで、「Local Friendly」(ローカル・フレンドリー)=「地域への優しさ」を持ったしなやかな感性を育んでいきます。毎回異なるテーマで展開するプログラムをはじめ、国内外で活躍するアーティストを招聘した集中プログラムなど、さまざまなプログラムを展開しています。
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