Creative City Yamagata

PlayQ:
ローリングマウンテンカレッジ2024
【5限目】
報告会(特別ワークショップ授業+教諭陣によるクロストークイベント)

2025.09.13.Sat

Text: アイハラケンジ Kenji Aihara
株式会社Q1取締役/プロデューサー。PlayQ ROLLING MOUNTAIN COLLEGE では、コーディネーター/教務主任を務める。

Photo: 三浦晴子 Haruko Miura

特別ワークショップ授業で制作されたポスター

PlayQ:ローリングマウンテンカレッジ2024【5限目】
報告会(特別ワークショップ授業+教諭陣によるクロストークイベント)
日時:2025/3/2[日]13:00~16:30
場所:やまがたクリエイティブシティセンターQ1

ローリングマウンテンカレッジ5限目は、報告会と題してそれぞれの授業にご参画いただいた教諭陣をゲストに、特別ワークショップやクロストークを2部構成で展開しました。子どもだけではなく大人の方々にも参加いただき、山形における表現やアートについて、皆さんと考えていきました。

第1部は、1限目の授業を担当された吉田勝信先生による、食とデザインを絡めたワークショップです。机の前に置かれた、お皿や袋、石や紙を前にして、吉田先生の説明がスタート。各自が思い思いのお茶を作っていくと、ポスターが出来上がるという不思議なワークショップのようです。

ワークショップの説明をする吉田勝信先生
机の上置かれた皿や石、袋や布
キッチンスペースには、様々なお茶の材料とテイスティング用のサンプルを用意。テイスティング用のサンプルは永岡校長によるもの

部屋の後ろのキッチンスペースには、さまざまな材料が用意され、それらを各自が自由に配合してお茶を作るということのようです。それぞれの材料をお茶にした際のサンプルも用意され、テイスティングしながら配合を考えることが出来ます。ワークショップが始まり、みなさんでテイスティングしながら配合する材料を考えていきます。

まずはテイスティングから。欲しい材料を考えていきます
ほしい材料が決まったら、1種類ずつ袋に入れて作業机に持ち帰ります

配合する材料が決まったら、1種類ずつ袋に入れて作業机に持ち帰り、石を使って細かく砕いていきます。砕いた材料は袋から取り出してお皿に移し、また新たな材料を取りに行って石で砕いていく作業を繰り返します。

材料を選んで石で砕く作業を何度も繰り返していきます

部屋中に石で叩く音が鳴り響きます。作業が終わったタイミングで、配合したお茶を袋に詰めてティーバックにしていきます。

配合したお茶は袋に詰めてティーバックに

石で材料を砕く際には、下敷きになっていた紙の上で作業をすることとなっていました。吉田先生の合図で一斉に下敷きの紙をめくってみます。下敷きの紙にはカーボン紙が挟まれており、石で叩いた軌跡がそのままビジュアルとして表現されています。参加者それぞれの作業のプロセスがそのままビジュアル化された不思議なポスターが出来上がりました。ティーバックのお茶を飲みながらみんなでポスター鑑賞です。

意図せずに出来上がったビジュアルにもそれぞれの〈表現〉が宿っているようです

そこに何らかの構造が用意されれば、人が意識しなくても表現が生まれる可能性があると吉田先生は言います。このワークショップでは、石を使ってお茶の材料を砕くというプロセス(=構造)自体が表現となっていることが体験できるものでした。〈表現〉とは、絵が上手いとか、ものづくりが得意とかそういったことではなく、すべての人に開かれた存在であるのかもしれません。

それぞれの作品を前にしてお茶を飲みながら対話する参加者たち

ワークショップの後、休憩を挟み、第2部ではローリングマウンテンカレッジの先生たちが勢揃いし、半年間に渡って開催された授業についてのクロストークを実施しました。

永岡大輔 校長先生(4限目を担当)
吉田勝信 先生(1,5限目を担当)
岡部信幸 先生(2限目を担当)
松本剛 先生(3限目を担当)
アイハラケンジ(PlayQ コーディネーター/教務担当)

1時間半にも及ぶ熱いトークの後、受講生から半年間の感想を発表をしてもらい、質疑応答へと移りました。受講生の保護者はもとより、様々な大人の方々からの意見も飛び交い活発な議論となりました。

保護者や関係者の皆さまからも様々なご意見をいただきました


■ PlayQとは
こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する

PlayQ(プレイキュー)は、「こどもの創造的学びの活動を通して〈創造都市やまがた〉を実現する」をコンセプトに、クリエイティブとテクノロジー、ビジネス、そしてエコロジーの4つの領域を行き来できる山形・東北らしい新しい人材育成を目指した、株式会社Q1が主催するプログラムです。経済産業省「デザイン経営宣言」におけるBTC人材定義(=デザインを競争力にする人材・組織・教育)をベースに、山形・東北独自の視点として「エコロジー」を加えた、4つの領域を横断できる人材を育成します。遊びを通して、地域と仲良くなり、地域に親しみ、地域に夢中になることで、「Local Friendly」(ローカル・フレンドリー)=「地域への優しさ」を持ったしなやかな感性を育んでいきます。毎回異なるテーマで展開するプログラムをはじめ、国内外で活躍するアーティストを招聘した集中プログラムなど、さまざまなプログラムを展開しています。
https://yamagata-q1.com/project/playq.php

Text: アイハラケンジ Kenji Aihara
株式会社Q1取締役/プロデューサー。PlayQ ROLLING MOUNTAIN COLLEGE では、コーディネーター/教務主任を務める。

Photo: 三浦晴子 Haruko Miura