夜の学校 09
「洋服との向き合い方を考える」
/山下拓郎先生
Text: 那須ミノル
real local山形ライター。
https://www.reallocal.jp/yamagata
Photo: 三浦晴子

「夜の学校」09レポート/「洋服との向き合い方を考える」山下拓郎先生

2026年3月12日、やまがたクリエイティブシティセンターQ1で「夜の学校_09」が開催されました。先生としてご登壇されたのは、Q1の2Fの洋服店〈tatazumaiizumai〉のディレクター兼バイヤー、山下拓郎さんです。
「夜の学校」は、クリエイティブをテーマとした、創造都市やまがたの市民学校。優れた知恵やスキル、得意技を持ったかたがたに先生として授業いただくことを通して、生徒である私たち市民にその知恵を分けていただき、市民みんなでクリエイティブのちからを高めていくことをめざします。
ここでは授業のなかで語られた考えかたについて、印象に残ったいくつかのメモを紹介します。

・洋服選びに絶対的な答えはない。
・ときに「まだ価値のないもの」でもある古着を買い付ける仕事とは、その一着にどういう見立てをするのか、どういう価値を見出していくのか、である。
・新品というのはブランドがあり、季節感があり、多くの人が関係しやすいもの。他方、古着というのは時代の流行や季節感があまり前面に出ない。その意味で、新品と古着とは似て非なるものである。
・服の価値にはもちろん、かっこよさ、生まれる背景、素材、デザイナーの考え、機能性……、さまざまな要素がある。しかしそれ以上に大切なことは、「じぶんが着たいか」「じぶんが大事にしたいか」「じぶんのお気に入りになるか」ではないだろうか。
・洋服はすでにある程度画一化されたデザイン、安定した品質が約束されており、買い手が失敗することはほとんどない。もはやあまり考えなくていいもの、すでに成熟しきったものである。そのなかで、ちょっとした遊び心、ちょっとしたはみ出し方、ちょっとした違和感をつくりだすことに、洋服との向き合い方のヒントがある。日常のなかに、わかりづらい間違い探しを紛れ込ませるようなことである。
・じぶんの一着について考えることは、じぶんにとっての価値として見出すこと。洋服に向き合うこととは、じぶんはなにが好きで、なにに価値を置いているのか、その価値基準をよりよく知ること、そして考え続けることである。


山下 拓郎(やました・たくろう)
山形県山形市生まれ。2008年に仙台の株式会社Utah T.I.O入社。同社にて古着屋『Utah』での販売やレディース古着『IORI』の立ち上げ、及び買い付け業務を経験後、セレクトショップ『nariwai』のディレクター/バイヤーへ。2022年にやまがたクリエイティブシティセンター内にて『nariwai』の系列店舗『tatazumaiizumai』をオープン
Text: 那須ミノル
real local山形ライター。
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Photo: 三浦晴子