
昨年の総務省家計調査の結果によると、山形市は世帯当たりのラーメン消費額が日本一でした。実は、2000年から2024年までの25年間で、山形市のラーメンは21度日本一となっています。ラーメンが山形市民に愛される理由は「多様性」や「出前文化」等数多くありますが、 ここでは、その理由の一つ「多様性」についてご紹介していければと思います。
山形市は、多種多様なラーメンがそれぞれ高いレベルで存在しているといった特性がゆえに「札幌ラーメン=味噌」や「博多ラーメン=とんこつ」のようなブランディングがなされていませんでした。そのような中、ラーメン店の有志が『「ラーメンの聖地山形市」を創る協議会』を立ち上げ、山形市の多種多様なラーメンを「山ラー」としてブランディングしていこうとする取組が始まりました。
この連載では、山形市の多種多様なラーメン「昔ながらの中華そば」「辛みそラーメン」「納豆ラーメン」「冷やしラーメン」「その他のラーメン」等をシリーズで一つずつご紹介していきます。

■「山ラー」とは
昔ながらの中華そばをはじめ、辛みそラーメン、納豆ラーメン、現代風の魚介系や背油チャッチャ系。山形市発祥の冷たいラーメン、そばつゆに中華麺の鳥中華、トッピングにはげそ天、お客さんがきたら出前のラーメン。山形市民は夏の暑い日でも、大切なお客さんが来た日にも「ラーメンを食べる」ということを選ぶ、ラーメンをこよなく愛する人々なのです。そんな山形市は、1世帯あたりの年間ラーメン消費額で8年連続日本一を誇っていましたが、2021年に首位の座を奪われました。しかし翌年には再び日本一になり、2023年2月8日に山形市長が「ラーメンの聖地、山形市」を宣言をしたのでした。それ以降、山形市の多様性あるラーメン文化を親しみを込めて「山ラー」という愛称で呼ぶようになったのでした。
Text: 高橋 大
山形市商工観光部長